Macのトラックパッドを自分向けに変えたら作業が軽くなった
Macを買った直後のトラックパッドは、そのままでも十分使いやすい。ただ、初期設定のままだとクリックのたびに少し力が必要だったり、ウインドウを移動する操作で指がつかれたりする。毎日くり返す小さな動作ほど、積み重なると意外に大きな差になる。
そこで、システム設定の「トラックパッド」と「アクセシビリティ」を見直して、自分がよく使う操作に合わせてカスタマイズしてみた。派手なアプリを追加しなくても、タップやジェスチャーの設定を変えるだけで、ブラウザ、文章作成、ファイル整理のテンポがかなりよくなったので、その内容をまとめておく。
まずはクリック周りを軽くする
最初に変更したのは「タップでクリック」だ。システム設定から「トラックパッド」を開き、「ポイントとクリック」にある項目を有効にすると、トラックパッドを押し込まず、軽く触れるだけでクリックできる。指を置いたまま強く押す必要がなくなるので、長時間の作業では手首への負担が違ってくる。
この設定は、リンクを開くときやファイルを選ぶときに特に便利だった。物理的なクリックを使う場面が減り、カーソルを動かす指の流れを止めずに済む。誤操作が心配なら、最初は軽くタップする感度を意識して使い、数日かけて慣らすとよい。
副ボタンのクリックは「2本指でクリック、またはタップ」にしている。右クリックにあたる操作を2本指で行えるため、コンテキストメニューを表示するたびにトラックパッドの端を探さなくて済む。コピー、名称変更、共有、クイックアクションなどを使う頻度が高い人には、かなり基本的で効果の大きい設定だと思う。
指の移動量とスクロールを調整する
「軌跡の速さ」は、初期状態より少し速めにした。速すぎると細かい選択が難しくなるが、遅すぎると画面の端から端まで何度も指を動かすことになる。外付けマウスを使わず、MacBookのトラックパッドだけで作業するなら、カーソルが一度のスワイプで広い範囲を移動できる程度がちょうどよかった。
文章を細かく編集するときは、指の動きを小さくして速度を調整する。最初から最大にするのではなく、普段の作業で「あと少し速ければ」と感じるところまで上げるのが無難だ。外部ディスプレイを接続している場合は、画面が広くなるぶん、軌跡の速さを上げた効果をさらに感じやすい。
スクロール方向は、iPhoneやiPadと同じ「ナチュラル」にしている。指を上へ動かすとページも上へ進むため、タッチ操作に近い感覚で使える。マウスのホイール操作に慣れている場合は逆方向に感じることもあるので、MacBookのトラックパッドを中心に使うか、マウスと頻繁に持ち替えるかで決めるとよい。
ジェスチャーを使い分けて画面を切り替える
3本指、4本指を使うジェスチャーは、覚えるとウインドウ操作の回数を減らせる。「Mission Control」は、複数のアプリやウインドウを一覧で確認できる機能だ。キーボードショートカットでも呼び出せるが、3本指または4本指で上へスワイプする設定にしておくと、作業中の視線の流れを保ちやすい。
左右へのスワイプには、フルスクリーンアプリやデスクトップ間の移動を割り当てている。ブラウザを左のデスクトップ、文章作成アプリを右のデスクトップに置くようにすると、アプリを最小化したり、Dockから探したりする手間が少なくなる。動画を見ながらメモを取るときにも、この切り替えは便利だ。
| 操作 | 設定している動作 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 1本指タップ | クリック | リンクやファイルの選択 |
| 2本指タップ | 副ボタンのクリック | コピー、名称変更、共有 |
| 2本指スワイプ | スクロール | Webページや長い文書の閲覧 |
| 3本指または4本指上スワイプ | Mission Control | 開いているウインドウの確認 |
| 3本指または4本指左右スワイプ | デスクトップ切り替え | アプリを用途ごとに移動 |
| 2本指でピンチ | 拡大・縮小 | 写真、地図、細かい画面の確認 |
ジェスチャーはすべて有効にすればよいわけではない。似た動作が複数あると、意図しない切り替えが起こることもある。普段よく使うものを2、3個に絞り、指の本数と方向を覚えてから追加するほうが、結果的に操作は安定する。
ドラッグ操作はアクセシビリティで改善する
トラックパッドでファイルやウインドウをドラッグするとき、クリックしたまま指を動かし続けるのが苦手だった。端まで移動した指をいったん離すと、ドラッグが解除されてしまうからだ。この問題は「アクセシビリティ」の「ポインタコントロール」にあるトラックパッドオプションから、ドラッグを有効にすると改善できる。
設定項目には、ドラッグロックなし、ドラッグロックあり、3本指のドラッグなど、macOSのバージョンによっていくつかの方式が用意されている。個人的には3本指のドラッグが扱いやすかった。クリックし続ける必要がなく、3本の指を動かすだけでウインドウやファイルを移動できるため、指先に余計な力が入らない。
ただし、3本指ドラッグは通常の3本指ジェスチャーと操作感が変わる場合がある。Mission Controlなどのスワイプ操作と混同するなら、ドラッグだけ別の方式に戻してもよい。自分のMacのOSによって表示名や場所が少し違うため、設定画面で「ドラッグ」という項目を検索するのが早い。
ファイルをよく移動する人は、Finderの表示方法も合わせて見直すとさらに快適になる。カラム表示やリスト表示を使うと、ドラッグ先のフォルダを確認しやすい。録画ファイルの整理などでストレージを空けたいときは、Macの容量整理のように、不要なデータを見つけてから移動・削除する流れを作ると操作の迷いも減る。
設定を増やしすぎず作業の流れを整える
トラックパッドの設定は、細かく触り始めると際限がない。感度、クリック、スクロール、ジェスチャーを一度に大きく変えると、どの設定が自分に合わなかったのか分からなくなる。そのため、まず「タップでクリック」「2本指の副ボタン」「軌跡の速さ」「デスクトップ切り替え」の4つだけ変更し、数日使ってから追加する方法がおすすめだ。
設定を試すときは、メールやブラウザだけでなく、Finderでのファイル移動、画像の拡大、文章の選択など、普段の作業を一通り行う。たとえばキッチンの片づけでも、物を捨てる場所と残す場所を先に決めると進めやすいように、Macの操作も役割ごとに整理すると迷いにくい。片づけの考え方をデジタル環境に応用して、使わないジェスチャーやショートカットを減らすのも意外と効果がある。
最終的には、設定項目の数より、指の動きが自然につながるかどうかが大事だ。クリックのたびに押し込まない、ウインドウを探し回らない、デスクトップをすぐ切り替えられる。この3つができるだけでも、Macでの作業はかなり軽く感じられる。
まずは「タップでクリック」と「2本指クリック」から変更し、次に軌跡の速さと3本指・4本指ジェスチャーを調整してみてほしい。自分の使い方に合う設定が見つかれば、毎日何度も行う操作が少しずつ短くなり、トラックパッドを意識せず作業に集中できるようになる。