ParallelsでWindowsゲームを遊ぶのをやめた理由

私は普段MacBook Airを使っていて、ゲーム専用機として使っているわけではない。ただ、Steamなどで配信されているWindows専用のインディーゲームがたまに気になってしまう。そんなとき「macOS上でWindowsを動かせれば解決するのでは」と思ったのが、ことの始まりだった。

Parallels Desktopという名前は前から聞いたことがあって、仮想環境の中では一番評判がよかった。Appleシリコン搭載のMacでも動くようになったと知り、料金プランを確認してライセンスを購入。セットアップはそこまで難しくないはず、くらいの軽い気持ちで始めた。

ところが、実際に数日使ってみると、想定以上に厳しい場面が続出した。動作速度、発熱、ストレージ消費、バッテリーの持ち、すべてが想定外。最終的にアンインストールという結論に至ったのだが、その理由を正直にまとめてみたい。

同じようにMacでWindows用ゲームを試したいと思っている人の参考になれば幸いだ。結論から言うと、私には合わなかったが、環境によっては合う人もいると思うので、双方の視点で書いていく。

Parallelsを試そうと思ったきっかけ

きっかけは、SteamのセールでWindows専用のゲームが気になったことだった。macOS対応と書かれているタイトルも増えてきたが、遊びたいものがことごとくWindows版しか出ていない。Boot CampはAppleシリコンではもう使えないため、選択肢としてはParallels一択に近い状況だった。

それと、macOS上でWindowsの業務アプリを使いたい場面も増えてきており、ゲーム目的じゃなくても仮想環境の有用性は感じていた。Parallelsは個人用途でMacを使っている人にとっての定番というイメージだったので、試さない理由もなかった。

デザイン系の情報収集をしていたときに見つけたSNS運用の事例集のようなサイトが、普段の仕事の参考にもなっていたので、副業気分で新しいツールに触れるのも悪くないと思っていた。

インストールからWindows起動までの流れ

購入手続き自体はParallelsの公式サイトから行い、ダウンロードリンクがメールで届くところまではスムーズだった。インストール用のdmgファイルを開いて、Applicationsフォルダにドラッグする一般的な流れで進められる。

初回起動時にWindows 11のライセンスについて聞かれるので、Microsoftアカウントでサインインしてダウンロードが始まる。ここで時間がかかったのが、Windowsのアップデートと初期設定だ。ネットワーク設定やアカウント連携など、合計で1時間以上はかかった印象。

仮想マシンのスペックはCPUコア数やメモリ、ストレージサイズなどを後から調整できる。とりあえずデフォルトの8GBメモリ・256GBストレージで様子を見ることにして、まずはSteamをインストールしてWindows用ゲームを動かす準備に入った。

ゲーム動作の実際とベンチマーク結果

実際にSteamをインストールして、試しにいくつかのWindows専用インディーゲームを動かしてみた。軽めの2Dゲームであれば問題なく動くが、3Dゲームになると途端にフレームレートが下がる。

具体的なタイトル名で言うと、ある3Dアクションゲームは30fpsすら安定せず、入力遅延も感じられた。グラフィック設定を下げても改善が乏しく、macOS側でMetal対応のゲームがネイティブで動く快適さと比較すると、正直「これなら遊ばないほうがマシ」だと感じた。

ベンチマーク系のツールで測ってみたところ、ネイティブのWindows機と比較するとCPU性能は7割程度しか出ていないように見える。ゲーム専用機として使うには厳しく、ちょっとした動作確認や業務利用が現実的な範囲だと痛感した。

発熱・バッテリー問題との戦い

Parallelsを動かしている間、MacBookのファンは常に回る状態が続いた。Windowsを起動しているときだけでなく、仮想マシンがバックグラウンドで動いているときでも、本体がかなり熱くなる。普段は静かなMacBookが、ここまで唸るのかと驚いたほどだ。

バッテリーの持ちも悪化して、ブラウジングや文章作成だけなら10時間以上持つMacBookが、Parallelsを立ち上げると1時間弱で20%近く消費する。ACアダプターをつなぎっぱなしで使う前提になるが、そうすると今度は排気が熱すぎて膝の上に置けない。

冷却台を使っても根本的な解決にはならず、夏場の部屋では本体がかなりの高温になる。パフォーマンスを維持しようとすると排熱が追いつかず、サーマルスロットリングでさらに動作が重くなるという悪循環もあった。

ストレージとメモリ消費の現実

Parallelsは仮想ディスク形式でWindowsを動かすため、macOS側にもそれなりの容量が必要になる。インストール直後で50GB以上、その後にWindows Updateやアプリ、ゲームをインストールしていくと、あっという間に100GBを超えてしまった。

私のMacBook Airはストレージが512GBモデルで、普段の作業データや写真、書類だけで既に半分以上を使っている。そこからさらに100GB以上をWindows用に確保するのは精神的にも厳しかった。外付けSSDに逃がす手もあるが、速度が落ちるし、持ち運びに難がある。

メモリについても、8GBのモデルだとmacOSとWindowsで取り合いになる。ブラウジングタブを多数開いた状態でParallelsを立ち上げると、macOS側の動作も遅くなり、Macの良さである軽さが完全に消えてしまった。

コストに見合う価値があるのか考える

Parallels Desktopの永久ライセンスは、買い切り版で約1万円程度、サブスクリプション版は年単位でかかる。年に数回Windowsゲームを遊びたいだけなら、コスパが悪いと感じるのは当然だろう。

逆に、毎日Windowsアプリを使う業務環境であれば話は別だ。Officeアプリや開発ツール、特殊な業務ソフトなどを日常的に使う人なら、年間サブスクリプションでも元は取れるのかもしれない。用途と頻度で評価がまったく分かれるソフトだと感じた。

私の場合、Windows専用ゲームが月に数本遊びたいかどうかの頻度で、それだけの目的で毎年ライセンス料を払うのは割に合わない。本気で遊びたいゲームがあれば、Windows機を買ったほうがトータルで安いと気づいたのは、しばらく経ってからのことだった。

他の選択肢との比較

MacでWindowsゲームをする方法としては、Parallels以外にクラウドゲームサービスという選択肢もある。GeForce NowやXbox Cloud Gamingのようなサービスなら、Macのブラウザや専用アプリから高スペックPCで動かしているゲームをストリーミング再生できる。

自分の通信環境を試したところ、有線LANでつなぐ分には遅延も気にならず、Parallelsより快適だった。ただし、解像度やfpsが制限されるプランが多く、最新タイトルが遊べるわけではないという制約もある。

結局、私はゲーム専用に小型のWindowsミニPCを追加で購入することにした。Macでの作業とWindowsでのゲームが完全に分離できて、Parallelsのライセンス費用より初期投資で済んだ。しばらくは別の話題の記事にも書いたとおり、この2台体制で運用していくつもりだ。

Parallelsは人によって合うか合わないかが大きく分かれるソフトだ。ゲーム目的で使うなら慎重な判断が必要だし、業務用途が中心なら導入価値はある。自分の使い方との相性を、無料体験などで確かめることをおすすめする。同じようにMacとWindowsを行き来したいと考えている人の参考になればうれしい。