富士ロックの雨対策を本気で考えたら荷物が3kg増えた

フジロックの開催時期が近づくと、毎年どうしようかと頭を抱える。苗場という土地柄、天気が読めないのは覚悟の上とはいえ、去年の記憶が新しいところでは土砂降りの中の泥んこ遊びを強いられた。フェス全体で3日間雨に降られると、もう笑うしかない。雨具のグレードをひとつ上げただけで、なぜか全体の荷物がみるみる膨らんでいく。

そもそも野外フェス初心者の頃は「折り畳み傘があれば大丈夫」程度に思っていた。それが年々エスカレートして、今では防水スプレーからポンチョまで揃える始末。朝のうちに雨雲レーダーを開いてにらめっこするのも恒例行事になりつつある。行きは晴れていたのに、帰りはびしょ濡れになるのがフジロックのデフォルトかもしれない。

結果的に今回は本気で雨対策を見直した。レインウェアを新調し、靴下も撥水タイプに変え、ザックは完全防水のカバーをかけた。すべて揃えた後でリュックを量ってみたら、昨年より3kgも増えていた。雨天対策は安心を買う行為だが、安心にはそれなりの重量が伴うと改めて思い知った。

そんなわけで今回は、3kg増しになった装備の内訳と、それぞれの判断基準をまとめておく。フジロックの雨は特別なので、都会の通勤レベルとは発想が根本的に違う。重いけれど持って行って後悔しなかったもの、逆に「ここまでしなくても」だったものを正直に書いていく。

雨具の基本を見直す

最初に手をつけたのはメインのレインウェア。ゴアテックスは欲しいが、毎年使えるかどうか分からないものに5万円は出せない。結局、ワークマンやアウトドア系のミドルグレード品で2万円前後を狙うことにした。予算と性能のバランスで選ぶなら、まずは登山用品店のエントリーモデルが現実的だろう。

シルエットも重要で、全身を覆えるかどうかで快適さがまるで違う。ポンチョは風が吹くとめくれ上がるし、長時間歩くと肩が凝る。上下セパレートのレインスーツなら動きやすく、中に着込めるフリースやダウンと相性が良い。結果として選んだのは、フードが深く被れてポケットが多いタイプ。

予備として用意したのが、安価な携帯ポンチョ。ゲリラ豪雨で本装備が壊れたときや、最悪の場合の緊急用としてリュックに忍ばせておく。数グラムなので入れておいて損はないし、現地での物資交換にも使える。

足元からの浸水を防ぐ

靴の選択は毎年迷い続けるポイント。スニーカーで行って壊した経験のある人も多いはず。フジロックではぬかるみもあるので、シンプルなハイキングシューズが鉄板になった。撥水加工のもの、もしくは最初から防水設計のモデルを選ぶと、長時間歩いても靴下が濡れない。

靴下は数年前からフェス用の厚手メリノウールに切り替え。濡れても保温性が落ちにくく、乾きもそこそこ早い。化繊の普通の靴下だと、水を含んだ瞬間に足が冷えて悲惨なことになる。何足か持って行きたいが、そこは重量との相談になる。

その他、足元で意外と盲点なのが濡れた地面との距離感。レギンスや撥水スパッツを下ろして履くと、雨水の侵入をかなり防げる。見た目重視の人には向かないが、機能最優先ならぜひ試してほしい装備だ。

装備 重量 価格 効果
レインスーツ 600g 18,000円 全身の防水
携帯ポンチョ 80g 500円 緊急時の代替
防水ハイキングシューズ 900g 14,000円 足元の浸水防止
メリノウール靴下3足 200g 2,400円 保温と速乾
撥水スパッツ 150g 3,000円 雨水の侵入防止

ザックと防水パックの選択

雨の中で中身が濡れる一番のリスクは、ザックの中。防水仕様のバックパックは便利だが、価格が高くて気軽に買い替えにくい。代案として、カバン用の防水カバーが付いたモデルを買えば、中は完全防水でなくても浸水をかなり防げる。

カバーはシングルジッパーかロールトップかでも耐久性が違う。雨の中でファスナーを開け閉めする回数を考えると、ロールトップのほうが心強い。中身を入れるときも、上から入れられる構造のほうが扱いやすい。

貴重品はさらに中に防水バッグやジップロックを準備。スマートフォンやモバイルバッテリー、現金類は二重に包んでおくと安心感が段違い。保険料としては安いが、備えとしては極めて有効だ。

着替えと防寒の厚み増し

雨の日は気温が下がるので、防寒具が予想以上に重要になる。昼は蒸し暑いのに、夜は山の上なので一気に冷える。そのギャップに何度も泣かされてきたので、今回はミドルレイヤーを多めに持っていくことにした。

フリースは軽量で保温性が高く、濡れてもそこそこ暖かい。さらに薄手のダウンがあれば、休憩中や寒い夜にも対応できる。ただし、嵩張るのでパッキングに工夫がいる。

タオルや着替えの予備も必須。雨の中で一日過ごすと、翌朝までに乾いている保証はほぼない。濡れたまま翌日も着続けると、それだけで体力を奪われる。少し重いと思っても着替えは多めに用意すべきだ。

当日の運用と3kgの覚悟

結局のところ、3kg増しは「安心料」として考えるしかない。装備を万全にしても、フェス本番は予想外の連続。雨対策をしておけば、現地で体調を崩す確率がぐっと下がる。

逆に、重すぎる荷物を持って会場を歩き回るのも大変。重要なのは、軽量化と防水性能のバランスを取ること。すべての装備を最上位にする必要はないが、優先順位だけは決めておきたい。

たとえば、足元とレインウェアは最優先で、その他は予算に合わせて調整する。中古で揃える手もあり、出店前にセールを狙うのもひとつの手だ。備えあれば憂いなし、とは言うが、フェスの備えは本当にたくさんある。

結局、3kgの重量増は「持っていってよかった」の一言で片付いた。実際に雨が降ったとき、ぬかるみで足が抜けなくなったとき、夜の寒さで震えたとき、持ってきた装備がすべて活躍してくれた。あの時ケチらなくて本当に良かったと、心から思った。

もしこれからフジロックに参戦するなら、まずは自分の装備を総ざらえしてみてほしい。天気予報をこまめにチェックして、足りないものから揃えていく。雨対策を甘く見ていた人ほど、現地での苦労は大きいはずだ。

フジロックや他のフェスに関する装備レビューは、おふとんしてたらまたねてたでもまとめていく予定なので、合わせて参考にしてもらえると嬉しい。今年の夏は、晴れても降られても、どちらも全力で楽しめる準備を整えておきたい。