富士ロック帰りの新幹線で考えたフェスと運動量の関係
富士ロックの帰り、新幹線の座席に体を沈めた瞬間、足の裏から肩まで一気に重さが戻ってきた。会場では音楽を聴いていただけのつもりなのに、スマホの歩数を見ると一日でかなりの距離を歩いている。ライブの記憶を反芻しながら、これはもう軽い旅行ではなく、数日間の運動イベントなのではないかと思った。
もちろん、フェスに行く目的は運動ではない。好きなアーティストのステージを見たり、友だちと屋台を回ったり、山の空気を吸ったりするためだ。それでも、移動距離、立ちっぱなしの時間、坂道、暑さ、荷物の重さが重なると、普段の生活ではなかなか経験しない活動量になる。
会場に着く前から歩数は増えている
自宅から最寄り駅へ向かい、新幹線に乗り、在来線やシャトルバスを乗り継いで会場へ向かう。その時点で、すでに日常より歩いている。駅の構内は広く、乗り換えでは階段を使い、会場の入口に着くまでにも列の移動がある。
苗場のような広い会場では、入場ゲートからステージまでの距離も無視できない。目当ての出演者を見るために移動し、終演後は人の流れに沿って出口へ向かう。移動そのものが目的ではなくても、結果としてかなりの有酸素運動になっている。
フェスの運動量を決めるもの
一日の歩数だけでは、体への負担は測りきれない。ステージ前で立ち続ける時間、観客の波を避けるための小さな方向転換、ぬかるんだ道を歩くときの踏ん張りも、じわじわと脚に効いてくる。
さらに、リュックや雨具、飲み物を背負っていると、同じ距離でも疲労感が変わる。荷物が数キロあるだけで、肩や腰の筋肉はずっと働く。ジャンプしたり踊ったりしなくても、長時間の立位と荷物の重量で、帰りにはふくらはぎが張っている。
山の会場で感じる日常との差
普段の歩数が少ない人ほど、フェス当日の変化は大きい。家では椅子に座って過ごす時間が長くても、会場では座れる場所を探すだけで歩く。食事やトイレのための移動も、街中より距離がある。
しかも、山間部の会場は路面が平らとは限らない。土、芝生、砂利、木の根、雨で滑りやすくなった場所を歩くため、足首や太ももを使う場面が増える。歩数計には同じ一歩として記録されても、舗装された道を歩くのとは運動強度が違う。
音楽による疲れと移動による疲れ
ライブ中の高揚感は、疲れを一時的に隠してくれる。大きな音に包まれ、好きな曲を聴き、周囲と一緒に盛り上がっていると、脚が痛いことを忘れてしまう。ところがステージが終わり、人の少ない場所へ移動すると、急に疲労を自覚する。
音楽を聴くこと自体が激しい運動になるわけではないが、興奮や緊張で心拍数が上がることはある。そこに歩行、立ちっぱなし、暑さや湿気が加わると、体力の消耗は想像より大きくなる。帰りの新幹線で眠くなるのは、夜更かしだけが理由ではなさそうだ。
水分と食事は移動の一部
フェスでは、休憩や補給もスケジュールの一部として考えたほうがいい。喉が渇いてから飲むのではなく、歩く前やステージの合間に少しずつ水分を取る。汗をかいた日は、水だけでなく食事から塩分や糖分も補いたい。
食事を抜いたまま歩き続けると、後半で急に力が出なくなる。屋台の料理や軽食を楽しむことも、長い一日を乗り切るための燃料になる。アルコールを飲む場合は、暑さと脱水の影響が重なりやすいので、ソフトドリンクや水も一緒に持っておきたい。
帰りの新幹線で回復を始める
座席に座ったら、靴を少しゆるめて足を休ませる。可能なら足首を回したり、ふくらはぎを軽く動かしたりすると、同じ姿勢で固まるのを防げる。眠るのも大事だが、何時間もまったく動かないより、停車中や乗り換えで少し歩くほうが楽に感じることもある。
スマホの歩数や移動履歴を眺めると、フェス当日の行動が数字で見えてくる。記録を見るためにスマホを使うなら、長時間見続けても疲れにくいよう、出発前にSwitchの画面設定を調整したときのように、画面の明るさや通知も自分向けに整えておくと帰り道が少し楽になる。
次の参加に向けた持ち物と過ごし方
フェスの運動量は、当日の体力だけで決まらない。靴の選び方、荷物の軽さ、休憩場所の確保、天候への備えによって、同じ会場でも疲れ方はかなり変わる。無理に全ステージを見ようとせず、移動と休息を含めて予定を組むほうが、最後まで音楽を楽しめる。
個人的には、フェスを「一日中立っているライブ」ではなく、「長距離を歩く野外旅行」として準備するのがちょうどいいと思う。歩数を競う必要はないが、脚を使うイベントだと理解しておけば、帰りの疲れに驚かずに済む。
体力を守りながら楽しむ準備
次回の野外フェスでは、次のような小さな準備を意識したい。
- 履き慣れた靴と、クッション性のある靴下を選ぶ
- 飲み物をすぐ取り出せる場所に入れておく
- ステージの合間に座って脚を休める
- 雨具や日よけを天気予報だけで判断しない
- 荷物を前日までに減らし、背負った状態を確認する
- 帰宅後に食事と睡眠を確保できる予定にする
全部を完璧に実行しなくても、靴と水分だけで体感は変わる。特に帰りの交通機関が決まっている場合は、終演後に急いで移動する時間も含めて、体力を残しておくことが大切だ。
新幹線の窓から流れる景色を見ながら、フェスの楽しさはステージの前だけにあるわけではないと感じた。会場までの道、知らない人たちと歩く時間、帰り道の疲労感まで含めて、その日の体験になっている。次の富士ロックでは歩数計を確認しつつ、無理なく動いて、最後の一曲まで元気に楽しみたい。