ドラクエウォークのリッカの宿屋で回復すると心がほどける話
ドラクエウォークを遊び始めたのは、ちょうど散歩を日課にしたいと思っていた時期と重なっていた。自宅から外に出るとモンスターが画面の中にぽつぽつと湧いてきて、それらを倒しながら近所をぐるぐる回る単純作業の繰り返しが、なぜか一日をリセットしてくれるような感覚があった。
ただ、レベルが上がるにつれて敵も強くなり、HPとMPの管理は常につきまとう問題になる。回復アイテムを惜しみなく使えるなら楽なのだが、心配性なぼくはどうしても温存したくて、HPが黄色のままで次の戦闘に入ってしまうことが何度もあった。
そんなとき、地図の中でふと目に入ったのがリッカの宿屋だった。いつもの散歩ルートの途中にあるこの場所が、想像していたよりもずっと居心地のよい場所だった。
今となっては、リッカの宿屋を通らないと散歩が完結しないというくらいの存在になっていて、HPを回復するというよりも、心の調子を整えるための場所としてぼくの中で機能している。
ドラクエウォークとの日々にすこしずつ馴染んでいく
ドラクエウォークをやり始めたばかりの頃は、敵を見つけたらとりあえず全力で叩くという乱暴なプレイスタイルだった。レベルも低かったから一回の戦闘で削られる量も少なく、回復のことなんて頭になかった。
しかし、ストーリーが進み、ガチャで仲間も増え、強力なこころもセットできるようになってくると、戦闘一回あたりの消耗が激しくなってくる。HPが少なくなると、散歩しているのに足取りが重く感じるのが面白いところだ。
リアルで疲れているときに画面のHPも削られていたら、現実とゲームの両方からダメージを受けてしまう。だからぼくは早めに回復する癖をつけることにした。それがリッカの宿屋を生活の一部に組み込む最初のきっかけだった。
リッカの宿屋との運命の出会い
リッカの宿屋を最初に見つけたのは、メインの回復地点を設定するために地図を開いたときだった。自分のよく歩く範囲にちょうどよい場所にぽつんと宿屋が建っていて、見つけた瞬間に「ここだ」と思ったのを覚えている。
それまで近所のドラッグストアやコンビニに立ち寄るような感覚で回復ポイントを探していたぼくにとって、宿屋という名前がついているというだけで心理的なハードルが下がった。旅人が休息をとる場所、という概念がすっと入ってきた。
以来、その宿屋を中間地点にして散歩ルートを組み直すことにした。遠出をするときも、宿屋を必ず経由するようにしている。
回復演出がもたらす不思議な安心感
リッカの宿屋に入ったとき、HPとMPがじんわりと回復していく演出がある。数字が満タンに向かっていく、その視覚的な変化が気持ちを落ち着かせてくれる。
数字が減っていく戦闘中の焦りと、宿屋で数字が増えていく安心、このシーソーのような構造が歩くリズムを作ってくれる。演出の効果音も柔らかくて、夜の散歩中に聞くと、つい足がゆっくりになってしまう。
HPの残量を見ないふりして戦い続けるよりも、数字が回復していくのを待つ方が、グッと長く遊べるようになる気がする。
HPとMPがじんわりと満ちていく時間
宿屋での回復は、アイテムを使うよりも時間がかかる。でもぼくはその時間が嫌いじゃない。立ち止まってちょっとだけ休憩する、というリアルでの所作と重なるからいい。
HPが全快するまでぼんやりと待っている間に、ふと画面の奥の雲が動いていたり、キャラクターがいつもと違うしぐさをしていたりするのが目に入る。こういう細かい発見がゲームを継続するモチベーションになっている気がする。
回復アイテムをすぐ使うプレイももちろんあるけれど、宿屋でのんびりと待つプレイは、それ自体がささやかな息つぎの時間になっている。ゲームをうまく生活に溶け込ませるきっかけとして、リッカの宿屋はぼくにとってなくてはならない場所になった。
リアル散歩と組み合わせた賢いルート設計
リッカの宿屋を生活の一部にしてからのぼくの散歩ルートは、宿屋を中心に円を描くように設計されている。家の周辺をぐるりと一周する道筋は、おおよそ三十分から四十分で回れるくらいのちょうどよい距離感だ。
途中でモンスターを見つけたら戦うし、見つからなかったら歩き続ける。宿屋に到達したらちょっとだけ休憩がてら回復して、再び歩き出す。このサイクルが一日の中で唯一のゲームタイムになっている日も多い。
ドラクエウォークは位置情報ゲームなので、外に出ないことには始まらない。天気とにらめっこしながら今日は歩くか歩くまいかを決めるのも、生活にゲームが溶け込んでいる感じがしていい。ドラクエウォーク関連の記事はゲーム記事一覧にもいろいろ載っているので、散歩系のコンテンツを探している人は覗いてみてほしい。
宿屋めぐりが思わぬ趣味になった話
リッカの宿屋が気に入りすぎてしまったぼくは、近所の他の宿屋も気になってきた。地図を開くと、自分の生活圏内に何件もの宿屋が点在していて、それぞれ少しずつ場所や雰囲気が違う。
休みの日に少し遠出をして、知らない宿屋を巡ってみるのもいい気分転換になっている。知らない宿屋を見つけるというのは、ドラクエウォークをやり始めた頃には想像もしなかった遊び方だった。
宿屋ごとにキャラクターのコメントが違ったりするので、コンプリート欲のようなものが湧いてくる。これはこれで楽しいのだが、気づいたら週末が宿屋巡りだけで終わってしまうこともしばしばだ。
長く続けるプレイヤーとしての小さな発見
ドラクエウォークを長く続けるコツは、結局のところ回復する時間を確保することなんだろうなと思う。アイテムで一気に回復するのも一つの手だけど、自分の生活の中に宿屋という立ち寄り場所があると、心の余裕がまるで違う。
リッカの宿屋は、ぼくにとってのリトリートみたいな存在だ。画面の数字が減って焦ったときに、歩いてちょっとだけ遠回りをして、それでも宿屋にたどり着けば安心できる。
この小さな儀式が、ぼくのドラクエウォークライフをここまで続けてくれた一番の理由のような気がする。今後もこの宿屋にはお世話になるつもりだし、新しい宿屋もぼちぼち開拓していきたい。
ぼくもあなたも、週末にちょっとだけ近所を歩いてみてはいかがでしょうか。リッカの宿屋があなたを待っているかもしれません。まずは地図を開いて、近くの宿屋を探してみてください。思った以上に近くに、プレーヤーの憩いの場所があるはずです。