雑記

ざる蕎麦・もり蕎麦の「通な食べ方」をほとんどの人が勘違いしている件

ざる蕎麦やもり蕎麦を食べる時

「蕎麦はつゆに半分つけて食べるのが通」

っていうのを聞いたことがあると思います。

・・・あるよね?

この「通な食べ方」を知る前

私は蕎麦をつゆにたっぷりつけて食べるのが好きだったのですが

あるとき会社の先輩に

「それ『通』な食べ方じゃないな、つゆの味しかしないだろw」

と言われて「そうなんだ・・・」と思っていました。

どうやら蕎麦は「つゆに半分付けて食べるのが正解」と教えてもらったのですが

これ、今なら言える!「蕎麦の『通』な食べ方」として間違ってます!

なぜこの常識みたいに言われている

「蕎麦の『通』な食べ方」が間違っているのか

その『通』の由来を交えて解説していきたいと思います。

『通』とは

江戸時代中期から始った日本特有の美意識の一つ。

江戸時代前期に上方で形成された遊興の意識「粋 (すい) 」と類似するもので

特に江戸庶民の間で形成された。

「通」である人をも「通」というが

また「通人」「大通」などとも称した。

本来,人情の機微に通じる意であるが

ことに遊里の遊びに用いられ

遊び方の万般に通じていることをいう。

外面的には服装が洗練され,流行に敏感であり

書画,骨董,俳諧,茶の湯,古典などの

あらゆる教養に通じることを要求された。

一般的に「大通」が用いられるようになったのは

「通」を描く洒落本の形成と同時期,明和の末 (1770) 頃からで

安永6 (77) 年頃から大いに流行した。

この言葉から,ある事柄をよく知っている人を「何々通」というようになった。

~出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

江戸っ子が良く使っていたとされる言葉ですね。

 

一般的に言われている『蕎麦通』とは

よく言われているそばに関して各種の話は「江戸っ子の蕎麦に対するこだわり」です。

粋を重んじるが故に意地と見栄による誇張をこめて

次のような食べ方をするのが江戸っ子ならであると言われています。

 

  • 関東の汁は濃いめなため、もりを食べる際には先を少し漬けるだけで良く、また蕎麦の風味を十分に味わうことが出来る
  • 口に入れたらあまり噛み砕かないで飲み込み、喉越しを鼻に通り香りを楽しむ
  • 大きな入れ物にたっぷりと蕎麦が入っているのは野暮であり、通常2.3本とって食べる
  • 食べるときには割り箸を使用して食べる
  • 酒を飲まないで蕎麦を食べるのであれば、食べたらさっさと引き上げるのがマナー
  • 蕎麦を食べることを『手繰る』とも言う

 

ということはよく言われる『蕎麦通』は「関東限定」ということになりますね。

『蕎麦通』の由来

さて、何年前だったかな?とある蕎麦屋さんの近くに用事があった時

会社の先ほどとは違う先輩に

「通な食べ方の語源になった蕎麦屋がこの近くにあるんだよ。」

と教えてもらったことがあります。

その蕎麦屋は「かんだやぶそば」、東京の「藪蕎麦御三家」の一つですね。

2013年に火事に見舞われた老舗で、

話を聞いたのは火事になる前だから相当前になるのかな?

 

実際には「かんだやぶそば」が由来元ではなく

とある「藪蕎麦屋」が『蕎麦通』の由来となります。

所説あるのですが『通』という言葉がが出てきたのは江戸時代にまでさかのぼります。

 

江戸時代にできたとされる創業時期不明の蕎麦屋で

(一節には拾遺続江戸砂子に1735年には創業していたと書かれているそうです。)

「藪」の中にあった事から「藪蕎麦」と呼ばれるようになった店があり

そこの蕎麦がとてもおいしく、瞬く間に有名になりました。

多くの客が訪れるその藪蕎麦の特徴は

醤油の味がつよく塩からい、関東ならではの濃いつゆで

そのため常連客は必然的に「つゆをちょっとだけつけて食べる」ことに。

そんな常連同士が同じ食べ方を見てこういったそうです。

 

「お!あんた『通』な食べ方だね!」

 

よくこの店に通っているんだねといった意味合いで『通』が使われた、というのが

『通』の語源の所説あるうちの一つです。

 

蕎麦の『通』な食べ方とは

つまり蕎麦の『通』な食べ方とは

「店の蕎麦とつゆの状況に合わせて食べ方を変える」のが本当の『通』です。

関東ならではの濃いつゆなら江戸っ子が言うようにちょっとつけて

蕎麦が自慢というなら

まずはつゆを付けずにそのまま食べてみて、つゆにつける量を決める。

つゆが自慢なら

まずつゆを少し味わってみて、蕎麦につける量を決める。

こういったように店によって配分を決めるのが『通』です。

なので「蕎麦につゆは半分くらいつけて食べるのが正解」というのは

完全に間違いとは言い切れませんが、必ずしも正解ではないんですね。

 

結論:『通』な食べ方もいいが蕎麦くらい好きに食べさせてw

それでも私はつゆにたっぷりひたして食べるのが大好きです!

いいじゃないですか

食べたいものを食べたいときに食べたいように食べる

それが自分流のこだわり、『自分通』ですよ。

落語の「時そば」のまくらの一つに

「蕎麦はべったりとつゆに浸して食べるんじゃねえ、

先っぽにちょっとだけツユを付けて食べるのが通ってもんだ」

と江戸っ子気質の蕎麦通を自認する男が死の直前

「一度でいいからツユをたっぷり付けて食べてみたかった」

周りが言う「こだわり」を気にせずに食べたいように食べてみたかった

という話があります。

江戸っ子もこんなこと思うくらいです。

というわけで、好きなモノくらい好きなように食べましょうw